安心のお寺10ヶ条

「安心」を感じる、良きお寺のあり方

今や、檀家という意識を持つ人は少数派です。 檀信徒の家庭状況は大きく変化し、お寺が次代に継承されるには、檀信徒をはじめとした生活者の視点に立つことが大切です。

お寺の未来総合研究所では、檀信徒を含めた生活者の声や、多面的な分析に基づき、お寺運営の羅針盤となる「安心のお寺10ヶ条」を具体化しました。

そして、安心のお寺10ヶ条に基づき、寺院の運営状況を包括的に把握できる「安心のお寺診断」を広く公開しています。ぜひ本診断に取り組み、ご自坊の持続的発展を導く一助になれば幸いです。

安心のお寺10ヶ条

お寺が世の中や人々にどのような価値を提供するかという使命と、その使命を実現する方策が明確になり、社会に共有されている

1

ご本尊の願いの翻訳

ご本尊(仏さま)の願いを、現代の人々にも通じる内容として、適切に翻訳できている

2

縁起・寺史の明確化・咀嚼

お寺が長年歩んできた縁起・寺史が明確に整備され、その意味合いが現代にも通じる内容として咀嚼されている

3

生活者理解

お寺の方向性(寺業計画)の検討にあたり、受け手(檀信徒や地域住民)の声や期待を、真摯に傾聴している

4

社会環境理解

お寺の方向性(寺業計画)の検討にあたり、お寺を取り巻く地域や社会環境の変化を数値データもまじえて把握に努めている

5

使命の具体化

ご本尊の願いやお寺の縁起、受け手の声をふまえ、社会におけるお寺の存在意義を示した使命が具体化している

6

ビジョンの具体化

お寺として、数年後の大きな目標となるビジョンが具体化している

7

行動計画の具体化

使命やビジョンに沿った行動計画が具体化している

8

寺業計画の共有(寺内)

寺業計画(使命・ビジョン・行動計画など)が寺族・スタッフと十分に共有されている

9

寺業計画の共有(責任役員・総代)

寺業計画(使命・ビジョン・行動計画など)の進捗や内容に関して、責任役員・総代等との意見交換を行なっている

10

寺業計画の共有(檀信徒)

寺業計画(使命・ビジョン・行動計画など)の進捗や内容に関して、檀信徒に広く共有されている

11

寺業計画の振返り

寺業計画(使命・ビジョン・行動計画など)の進捗に関して、寺内で定期的な振り返りを行なっている

12

寺業の見直し

社会や人々の変化を見極めながら、既存の寺業の見直しと発展に努めている

13

寺業の創造

社会や人々の変化を見極めながら、新たな寺業の創造・開発に挑戦するよう努めている

14

寺報の発行

読み手の求めを意識した上で、お寺の理念や目指す方向性、様々なお寺の取り組みを伝える寺報を発行している

15

パンフレットの作成

参詣者が持ち帰られる、お寺の縁起・理念・魅力等が分かりやすく記載されたパンフレットを備えている

16

インターネット発信

ホームページ等、インターネットを通じた情報発信に取り組んでいる

仏教の味わいを伝える確かな信仰・見識・技法・包容力を基盤に、寺院運営へ真摯に取り組む僧侶と、その営みを細やかに支える寺族をはじめとしたスタッフがいる

1

信仰の問い直し

僧侶・寺族が自らの信仰を問い直す機会や行為を大切にしている

2

僧侶・寺族の規範

聖性が重んじられる宗教空間を預かる僧侶・寺族としての規範を大切にしている

3

日常勤行

僧侶が朝・夕の勤行を欠かさず行っている

4

儀礼の研鑽

僧侶が読経や作法など儀礼の研鑽に努めている

5

伝わる法話の研鑽

僧侶が「伝わる」法話の研鑽に努めている

6

布施行の率先

僧侶・寺族が率先して布施行(他者や社会への奉仕)を心がけている

7

仏教の学習

僧侶は、自宗派の教義・教学、ならびに、仏教の様々な知識を積極的に学んでいる

8

他宗派の理解

僧侶は、他宗派の特徴について、具体的な交流を通じて、基礎的な理解を深めるよう努めている

9

他宗教の理解

僧侶は、世界の様々な宗教(主に神道、キリスト教、イスラム教)について、基礎的な理解を深めるよう努めている

10

教養の涵養

僧侶は、古典をはじめとした幅広い教養を積極的に学んでいる

11

社会・時事の理解

僧侶は、現代社会の時事動向や、社会の仕組みなどを積極的に学んでいる

12

現代における仏教の役割理解

僧侶は、様々な学びと行動を通じ、現代において仏教が担う役割・意義を積極に見出している

13

傾聴

僧侶・寺族は、有縁の人々の求めや悩みに積極的に傾聴し、受け止めている

14

温かな接遇

僧侶・寺族は、来訪者への対応や電話口の話し方は和顔愛語の下、丁寧で親切である

15

日常コミュニケーション

僧侶・寺族は、檀信徒や地域住民をはじめ、有縁の人々との日常的なコミュニケーションを大切にしている

16

檀信徒情報等の寺内共有

僧侶・寺族は、檀信徒や地域住民とのコミュニケーションの状況や情報を、寺内で適切に共有し合っている

17

寺院運営への積極関与(僧侶)

僧侶は、寺院運営に真摯かつ熱心に取り組んでいる

18

寺院運営への積極関与(寺族)

寺族やスタッフは、寺院運営に真摯かつ熱心に取り組んでいる

19

寺院運営に資するスキルの研鑽(僧侶)

僧侶は、現代における寺院運営に必要なスキル・技法を積極的に習得している

20

寺院運営に資するスキルの研鑽(寺族)

寺族やスタッフは、現代における寺院運営に必要なスキル・技法を積極的に習得している

21

評価・感謝

住職などお寺のリーダーが、寺庭婦人(もしくは坊守)や寺族の役割・貢献を積極的に評価し、具体的に感謝を示している

22

成長機会の提供

お寺の次世代を担う僧侶・寺族への成長機会の提供や、成長につながりうる縁を整えることに努めている

23

後継者

お寺の次世代を担う後継者が定まっている

受け手の視点に立ち、亡き人とのつながりを感じられる、心のこもった丁寧な弔いの儀礼を執り行っている

1

臨終の場への駆けつけ

枕経など故人の臨終の場への駆けつけと、その場を通じた遺族とのコミュニケーションを大切にしている

2

遺族要望への柔軟な対応

葬儀・法事のあり方は、お寺側の方針をふまえつつ、遺族の要望に柔軟に対応している

3

儀礼の意味の伝達

葬儀・法事では式次第などをはじめ、法要や儀礼の意味を分かりやすく伝える工夫をしている

4

故人を意識した演出

葬儀・法事では、故人の思い出やエピソードを語り、故人の人となりを反映した演出を工夫している

5

伝わる法話の励行

葬儀・法事では、受け手に「伝わる」ことを意識した法話を心がけている

6

戒名(法名)の分かりやすい伝達

葬儀では戒名(法名・法号)の意味を分かりやすく伝えている

7

参列者とのコミュニケーション

儀・法事では、参列者の一人ひとりをよく知るため、施主以外の人もできる限り積極的にコミュニケーションするよう努めている

8

お参りの奨励

遺族の心情・状況に配慮しながら、七日七日のお参りや月忌参りなどを積極的に奨励している

9

お寺葬の推進

お寺(本堂、広間、寺内の会館)での葬儀を積極的に推進している

10

家庭での日常的な仏事への助言

家庭での日常的な弔い・祈り・供養のあり方など、受け手の状況や制約も意識した現実的な助言を行なっている

11

グリーフケアの研鑽

グリーフケア(死別の悲しみなどを抱えた人への寄り添い)の知識・技法の習得に努めている

12

グリーフケアの実践

グリーフケアの知識・技能を活用し、葬儀・法事をはじめ、様々な場面で実践している

13

墓地・納骨堂の整備

現代社会の家族形態の多様化にあわせた、お墓(含む永代供養墓)や納骨堂の整備に取り組んでいる

14

墓地規約の整備

墓地(納骨堂)管理規約が整備されている

15

エンディング情報の収集

現代のエンディングを取り巻く社会状況や諸問題に関して、適切な情報収集に努めている

良き死を迎えるための学びや支援の仕組みが整っている

1

終活セミナー等の実施

檀信徒が良き死を迎えられるよう、自らの臨終や死後のこと等を考えるセミナーや勉強会などを開催している

2

生前相談

檀信徒からの葬儀の事前相談など、死を取り巻く様々な悩みの相談に積極的に応じている

3

専門家との連携

エンディングに関わるNPOなど、各種団体・専門家との連携を深めている

4

士業の紹介

檀信徒の安定的な相続をサポートするため、行政書士・税理士などの信頼できる士業を紹介している

仏教の豊かな智慧に触れられる、法話会、坐禅会、写経会、祈願・祈祷をはじめ、様々な法要や仏教体験が充実している

1

行事・法要の開放

お寺が伝統的に営んでいる行事・法要(法話会、坐禅会、写経会、祈願・祈祷など)を、檀信徒や地域住民に積極的に開放している

2

縁日への取り組み

仏さまの縁日にちなんだ行事に積極的に取り組んでいる

3

多様な講師の招聘

自宗派のみならず、様々な講師を招いて仏教の豊かな智慧に接する機会を様々に設けている

4

伝え方の磨き上げ

現代の人々に、仏教の智慧が適切に届く形や方法論を、様々に工夫・挑戦している

5

法要運営の工夫

檀信徒や参詣者の要望や変化をふまえ、伝統的な法要の営み方を工夫している

年齢・性別・社会的立場を超えて、檀信徒や地域社会の人々が集い、様々なテーマで活動し、相互のご縁を深めている

1

慶事への取り組み

人生の節目を祝う慶事(初参り、七五三、結婚式、金婚式など)に積極的に取り組んでいる

2

季節行事への取り組み

季節の節目の行事(花祭り、お月見、節分など)に積極的に取り組んでいる

3

子ども世代への取り組み

子ども世代を対象とした活動に積極的に取り組んでいる

4

テーマ活動

檀信徒や地域住民が集う、講をはじめとした特定テーマのコミュニティ活動が行われている

5

境内施設の提供

地域住民やNPOなどの活動に境内施設を積極的に提供している

6

開放的な文化

寺族・総代・檀信徒に、外からの新しい風を前向きに受け入れる、開放的な文化・風土が醸成されている

7

供物

檀信徒から仏さまへのお供物が積極的に供えられている

8

檀信徒の運営参画

総代会や世話人会が定期的に開催され、お寺での様々な催しや取り組みについての検討・企画が行われている

9

檀信徒における相談相手

お寺の将来について忌憚なく話し合い、相談相手となる檀信徒がいる

10

現在帳の整備

檀信徒のみならず、有縁の一人ひとりを良く知るための現在帳が整備されている

11

護持会規約の整備

護持会規約(檀信徒規約)が整備されている

困難な境遇にある人々や様々な社会的課題に対し、未来志向で温かい支援の手を差し伸べている

1

社会の苦に関する情報収集

社会の様々な問題や苦しみなどについて、お寺としてアンテナを張り、情報収集に努めている

2

お寺としての活動テーマ設定

お寺として取り組む社会福祉活動を明確にしている

3

有縁の人々の巻き込み

お寺として取り組む社会福祉活動を、檀信徒や地域住民を巻き込み推進している

4

寄付の呼びかけ

お寺として取り組む社会福祉活動への善意の寄付を、檀信徒や地域住民に積極的に呼びかけている

5

啓発の推進

社会の様々な問題や苦しみなどを共有する機会の提供や情報発信を行ない、檀信徒の慈悲心の涵養を促している

気持ちよくお参りできるよう本堂・境内・墓地等が掃き清められ、宗教空間の品格と雰囲気を備えている

1

仏さまの荘厳

ご本尊をはじめ、仏さまが丁寧に荘厳されている

2

境内清掃の徹底

参詣者が気持ちよくお参りできるよう本堂・境内・墓地等の清掃に努めている

3

墓地の整理整頓

墓地の枯れた花が片づけられ、水場は整理整頓されている

4

境内空間での公私の区分

境内・客殿など、お参りの人の目につく空間に、寺族の生活空間がはみ出していない

5

案内表示の整備

お寺内外の誘導・案内の表示が適切に整っている(来訪時にどこを訪ねればよいか分かりやすい)

6

バリアフリー対応

高齢者や障害者も気持ちよくお参りできるよう、バリアフリー対応が充実している

7

冷暖房設備

本堂・客殿などの冷暖房設備が整っている

8

休憩場所等の整備

参詣者が境内でゆっくりできるよう、座るところや休憩所などが境内各所に工夫されている

9

洗面室等の整備

性別に関わらず気持ちよくお参りできるよう、男女別のトイレや更衣室などが用意されている

10

分煙空間の整備

寺院内は原則禁煙で、喫煙スペースが個別に確保されている

11

駐車場の確保

適切な数の駐車場が確保されている

12

災害対策

災害に備え、耐震・津波対策などが整備・実施されている

13

文化財保護

文化財などは適切な保存方法によって維持・管理されている

長期にわたって健全な運営を実現し、檀信徒への経済負担を抑えられるよう、安定した財務管理が行われている

1

金銭面の公私の明確化

お寺と住職(寺族)の財布は厳格に分かれて管理されている

2

日常的な帳簿記録

会計帳簿には日々適切に現預金等の動きを記録している

3

源泉税の支払

源泉税は適切に支払処理されている

4

収支計算書の作成

年間の収支計算書が作成されている

5

黒字の確保

年間の収支が安定的に黒字である

6

会計データ分析

数年間の会計データが蓄積し、経年での比較・分析を通じて、原因や改善項目などが洗い出されている

7

長期修繕計画の立案

施設の建替え・修繕を含めた、長期的な資金計画が作成され、計画内容を定期的に見直している

8

計画的な資金貯蓄

長期的な資金需要に備えて、計画的な資金貯蓄が行われている

9

檀信徒への還元

充実した教化費など、収入を檀信徒へ積極的に還元している

10

自発的寄付による収入の多様化

檀信徒や地域住民からの自発的な寄付が、お寺の収入の一定割合を占めている

11

収支改善の工夫

檀信徒への経済負担を抑えるため、収入増加・経費削減を工夫している

宗教法人としての法令順守は当然のこと、様々な規約の整備や、情報管理の体制が整っている

1

行政への書類提出

都道府県庁への提出書類は適切に作成・提出されている

2

寺院規則の整備

寺院規則の各条項は、お寺の実態に合う内容として整備されている

3

備付け書類の公開体制

宗教法人法で定められた備え付け書類は整い、関係者の申し出があればいつでも公開できる状態になっている

4

情報セキュリティ

檀信徒の情報は適切なセキュリティの下で安全に整備・管理されている

5

プライバシー情報への配慮

檀信徒や地域住民などの有縁の人のプライバシーにかかわる情報を、みだりに口外しないよう、寺内の規範は徹底している

安心のお寺診断について

「安心のお寺10ヶ条」に基づき、自坊の現状を自己診断(無料)できる「安心のお寺診断」をご提供しています。「安心のお寺診断」は、お寺の強みや独自性の発見にとても役立つ診断ツールです。

チャートサンプル

※WEB診断に取り組む際には、以下のリンクから「安心のお寺診断ガイドブック」をダウンロードいただき、一読することをおすすめいたします

ガイドブック

安心のお寺認証について

安心のお寺10ヶ条に適合したお寺を、「安心のお寺」として認証し、 認証マーク(安心のお寺マーク)を付与しています。

認証登録のSTEP

お寺から経営情報の提出をいただき、現地訪問で寺院活動の現場を確認します

安心のお寺10ヶ条の中で、お寺の特徴が良く表れた条項を見い出します

「安心のお寺10ヶ条に適合した条項の数」が2つ以上あり、 特段の課題がない場合、『安心のお寺』として認証されます

※現在、「安心のお寺認証」事業は、まいてら(一般社団法人お寺の未来が運営)に委託しています

お寺の未来マガジン

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