お寺のインターネット発信は必要か? - ホームページの意外な効能

井出 悦郎

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先日、とあるお寺からパンフレットのリニューアルとホームページ開設のご相談を受けました。特にホームページの開設を急がれているので理由をお聞きしたところ、体験に基づく実感のこもった理由がありました。

意外に知られていない「お寺の歴史」

相談のあったお寺(A寺)は観光地にあり歴史的な見どころも多いことから、日々多くの観光客が参拝にきています。観光雑誌等にも掲載されるほどです。しかしその事実とは裏腹に、近隣住民は意外にA寺の歴史を知らないのだそうです。
A寺にはNHKドラマに因んだ歴史物があるためTV番組の取材が入ったことがあり、その際にご本尊の名前が間違って放送されてしまいました。番組制作会社は地域の学芸員の誤った知識を鵜呑みにしてしまったようなのです。
A寺のご寺族の方は、原因のひとつは自分のお寺のことを公式に発信していないからであると気付いたそうです。お参りに来られた方に配るパンフレットはあるものの、今は誰しもが最初にインターネット検索する時代。今回の間違いも、お寺の公式ホームページに情報を掲載していれば、取材前の調査の段階で正しく伝わっていたはずです。
確かにA寺の名前で検索をかけても、地域の観光地紹介ページや、参拝に訪れた方のブログ日記等が出てくるだけなので、それが正しい情報かは定かではありません。

ホームページの有無で信頼性を問われる時代

「これからのお寺の広報セミナー」では “今の時代においてホームページがないことは、この世に存在していないに等しい”、というちょっと厳しい事実を話します。この一言を言うと必ず会場がどよめくのですが(笑)、決して言い過ぎではないと思っています。
A寺の場合は観光地としての見どころがあるため、たまたまいくつかの情報を得られますが、名前と住所と電話番号くらいしか出てこないお寺も多いです。試しに寺院名+地域名などで検索をかけてみてください。インターネット上において自坊がどう見られているのかがわかります。

事前に情報を伝えられるメリット

もしA寺がホームページを開設した場合、他にも様々な活用シーンが想定されます。例えば、A寺は町の中にあるため駐車場が少しわかりにくいそうです。観光案内のサイトや雑誌に紹介されているお寺ですが、駐車場の位置までは掲載されません。カーナビやインターネットの地図サービスでも同様です。そこで、ホームページに駐車場の案内も入ったオリジナルの地図を掲載することで、車で来られる方もお参りしやすくなり、電話での問い合わせも軽減されるでしょう。
先回りして情報を伝えられる便利さは交通情報に限ったことではありません。年中行事で毎年必ず聞かれること、法事で毎回ご説明していること等、どんなお寺にでも必ずあるはずです。初めてお参りに来られる方の安心感を高めることにも繋がります。
そして、他に比べてホームページの普及がかなり遅い業界ですので、作ってしまえば周辺の寺院との違いが際立ちます。(今時こんな業界は無いです!)
ホームページをまだお持ちでないお寺には「まずはとにかく作りましょう!」と強くお薦めしています。

【お寺のホームページ制作サービス】

井出 悦郎

(一社)お寺の未来 代表理事。東京大学文学部卒。人間形成に資する思想・哲学に関心があり、大学では中国哲学を専攻。銀行、ITベンチャー、経営コンサルティングを経て、「これからの人づくりのヒント」と直感した仏教との出会いを機縁に、2012年に(一社)お寺の未来を創業

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