大寒波が日本列島をおおった1/22(月)。
三重県津市にある四天王寺(曹洞宗)で、全日本仏教青年会主催の「現代の僧侶を考えるワークショップ」が開かれました。
(ワークショップの詳細はこちら)
http://www.jyba.ne.jp/workshop.php
日本仏教の未来を想う有志の共鳴が、全日本仏教青年会での事業化につながる
このワークショップ開催に至る経緯について簡単にご説明します。
2016年秋に、一般社団法人お寺の未来とご縁のある有志によって「現代の僧侶を考える会」が発足しました。
http://www.oteranomirai.or.jp/2017/08/22/5755/
この会では、お寺・僧侶を取り巻く社会環境が急変する中、現代におけるお寺や僧侶のあり方について様々な観点から検討を深めました。
検討途中では約130名の有志僧侶とも議論を重ね、検討結果は2017年夏に公開されています。
[検討結果の全体資料]
【詳細解説版】現代の僧侶を考える会 検討結果資料
議論の過程では、全日本仏教青年会の有志も参加されました。
そして、宗派を超えて若手僧侶が集い、お寺や僧侶のあり方について衆議を深めるという趣旨に賛同いただき、全日本仏教青年会でも全国にこのような機会を広めたいという流れになりました。
それが「現代の僧侶を考えるワークショップ」として事業化され、2018年秋までに全国30会場・約1,000名の有志僧侶の参加を目指し、積極的に事業が進められています。
日本仏教の源流につながる聖徳太子建立の寺院で、
お寺や自らのこれからについて参加者が語り合った
当日の様子を端的にご紹介します。
全体の進行を担当された成田淳教さん(浄土宗)のゆったり落ち着いた言動により、参加者のみなさんにとっても安心できる穏やかな場の雰囲気が醸成されていました。
お坊さんがワークショップのファシリテーターを務めるのは、場の空気を柔らかく整えると感じます。
参加者のみなさんも少しずつ場に慣れ、各グループでは自由闊達に議論が展開されました。
・一つひとつのご縁を大切にする
・『住(む)職』として、誰よりも地域に根ざした生活を送るように努める
・お寺の世界だけではなく、様々な世界に自ら飛び込んで、人間として磨かれる
・プロとして、お経をはじめとした儀礼を徹底的にがんばる
・地域の中の縁がつながるような行事やイベントを行なう
・インターネットを使って、お寺から様々な取り組みを積極的に情報発信する
私が参加したグループでは、みなさんがとても基本的なことに立ち返りながら、対話が展開されていました。
世の中の変化が速い中でも、自らの足元を確認する。
禅宗の方が多かったためか、脚下照顧を旨とする自然な雰囲気が感じられました。
最後は、参加者それぞれが、どのような僧侶を目指したいかということについて思いをめぐらせ、具体化する作業を行ないました。
自らを省みるのは僧侶の本分でしょうが、日々の法務や葬儀などで、ゆっくりまとまった時間で自らやお寺の来し方・行く先を考えるということは難しいと思われます。
半日ではありましたが、参加者それぞれに様々な気づきを得られたのではと感じます。
終了に際しては、岡澤慶澄さん(真言宗智山派)がご挨拶をされました。
「四天王寺は、聖徳太子の誓願にもとづき建立された由緒寺院。日本仏教の祖である聖徳太子開祖のお寺で、本ワークショップの第1回目が開かれたということも不思議なご縁を感じます。」
観音さまのような優しく温かい岡澤さんの語りかけは、参加者の心に残ったのではと思います。
日本仏教の源流につながる場から指導した「現代の僧侶を考えるワークショップ」。
ご興味のある方は、各地で開催される際、ぜひ積極的に参加されてはいかがでしょうか?
(概要・申込みはこちら)
http://www.jyba.ne.jp/workshop.php
お寺や自らのこれからについての気づきを得られるだけでなく、未来につながる地域のご縁を深められる貴重な機会です。
これからの本事業の積極的な展開を応援しています。
(謝意:本記事の写真は全日本仏教青年会よりご提供いただきました)