[文・河村照円/真言宗寺院住職・税理士・行政書士]
世間では夏休みをどう過ごすか今から話題になっていますが、お坊さんの世界ではそのような話題はあまり聞きません。
海にも行けず、キャンプにも行けず、気が付いたらお盆が終わっていた、という方も多いのではないでしょうか。もし夏休みがあったら、お寺を離れてどこか遠くの場所へ行ってみたいものです。
さて、仕事で別の場所に行くことを世間では「出張」と呼んでいます。
旅費はもちろん、そこで食事の席が用意されたり、お土産代もかかってきたり、何かとお金がかかるものです。
そこで、社内規定を作り「出張手当」を支給している会社があります。実はこの出張手当、もらっても税金がかからないのです。
もちろん、いくらもらっても課税されないわけではありませんが、「社会的に常識」と言われる金額の範囲内ならばOK。役職や移動する距離にもよりますが、一回につき五千円から一万円が多いと思います。
そしてこの出張手当が課税されないためには、『出張旅費規定』を作成することが必要です。「○○キロ以上の移動をともなう出張手当は○○円とする」といった感じで決まりを作っておき、それに基づいて支払うようにするのです。
この出張手当はもちろんお寺でも認められます。総本山の行事に参加するのも立派な「出張」ですし、全国各地で行われる勉強会に参加するのも「出張」です。
旅費と出張については、税務調査でも指摘を受けやすい項目です。旅費の領収書とともに行事の案内通知や写真など、出かけた事実を説明できるようにしておくと良いでしょう。
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