[文・河村照円/真言宗寺院住職・税理士・行政書士]
■ 会計は誰のために行うのか?
会計スキルはお寺の運営において必要不可欠なものであるのに、宗派からの情報はあまりなく、学べる場もそう多くはありませんでした。
さらに近隣寺院にも聞きにくい・・・ということで、会計に苦手意識を持つ方が多くなってしまったのだと思います。
また、「きちんと帳簿をつけないと税務署に睨まれる」「会計は仕方なくやるもの」といった後ろ向きなイメージを持たれている方も多いと思います。
この考えでは「税務署のために会計を行う」ことになってしまいます。
これでは楽しくないし、もったいない!
会計は本来、誰かのために行うものではなく、自分たちのために行うものです。そしてうまく活用すれば、過去から現在、さらに未来までをも見通すことのできる、とても便利なものなのです。
■ 会計をとおして「お寺の未来」を描こう!
お寺の決算書は税務署のためではなく、未来の教化活動に役立てることが本来の目的です。
この部分が、実は寺院会計を行うにあたって一番大切で、一番楽しい部分でもあるのです。
お寺の状況を数字に置きかえて把握してみると、今まで見えていなかった課題に気付くことができます。
そして、これからどこに力をいれていくべきかが見えてくるはずです。1年間の会計処理を終えた頃には、今までとは全然違うお寺の姿が見えてくることでしょう。
作成した会計データから未来の教化活動を創造し、お寺の発展につなげます。
蓄積された会計データはお寺の財産です。次の年も、その次の年も続けることによって、その財産が増えていきます。
すると、未来が予想しやすくなり、やるべきことが明確になるのです。
そうなれば、あとは行動するのみです!
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