住職で税理士!河村照円さんにインタビュー -これからのお寺に求められる会計とは-(後編)

井出 悦郎

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井出:
一般的な税理士と違う照円流の極意というのはありますか?

河村:
よくお寺からは、「共通言語を持っているから安心感がある」と言われます。
税務署に対する対応では、お寺目線で防御することができますので、自分たちの味方のように感じてくれるみたいです。
それと、数値を分析する際に、自分が住職であることに加え、色々なお寺の数値を知っているので、突っ込んだ指摘ができると思います。
特に住職中心の見方ではなく、お寺中心の見方で考えるように促すことができるのは、住職でもある自分だからこそだと思います。
また、墓地問題や相続の遺産争いへの対応など、税務会計以外にもお寺特有の問題について解決策を示すことができるのが頼りになる、と言われます。

【書籍「お寺のための安心会計」】
井出:
ご著書の「お寺のための安心会計教室」の魅力や、思い入れはどのようなものですか?

河村:
お寺専用にカスタマイズされた会計書というのは、とても珍しいです。
著者がお坊さんなので、お寺視点に立ち、現場の実態もふまえた中身です。
ゴールが決算書を作るということではないというのもユニークです。決算書は通過点に過ぎません。
決算書を作った上で、どういうアクションが必要なのかという、行動を導く分析まで行なうのがこの書籍の魅力だと思います。
そうすることで会計が単なる数字の集計ではなく、お寺の未来を開いていく戦略的なツールになっていくと思います。

【積極的な会計報告を求められる時代に】
井出:
最後にお寺の皆さんにメッセージはありますか?

河村:
檀家さんに会計報告を求められているお寺がどんどん増えています。
積極的に手伝いたいからというパターンと、悪意を持ってというパターンがあります。
悪意のほうは断るべきですが、前向きに求められる会計報告に対し断ってしまうのは、信頼関係に傷がついてしまいます。
特にこれからは寄付を求める際にお寺の会計報告は必須になると思います。
常に公開するかは別の問題ですが、報告書を作っていないというのは論外になってくるでしょう。
いつでも報告できる状態にしておくことは不可欠であり、お寺の未来のために会計を前向きに使ってほしいと思います!

井出:
適切な会計によって、社会からの信頼を得るお寺が一つでも増えていくと良いですね。
本日はありがとうございました。

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井出 悦郎

(一社)お寺の未来 代表理事。東京大学文学部卒。人間形成に資する思想・哲学に関心があり、大学では中国哲学を専攻。銀行、ITベンチャー、経営コンサルティングを経て、「これからの人づくりのヒント」と直感した仏教との出会いを機縁に、2012年に(一社)お寺の未来を創業

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