[文・河村照円/真言宗寺院住職・税理士・行政書士]
会計ってそもそもお坊さんの仕事なの?地味だし、面倒くさいし、楽しくない~
こんな話をよく耳にします。同じように思っている方も多いのではないでしょうか。たしかに企業の経理部門は花形ではないですし、間違いなく地味だと思います。とびっきりの笑顔で電卓をたたく経理職員は見たことがありません。
あぁ、やっぱり会計は面白くない・・・
このように思ってしまう人には共通点があります。
それは、「会計は誰のために行うのか?」がはっきりしていないということです。
心のどこかに、きちんと帳簿をつけないと税務署に目をつけられる、という外部からのプレッシャーがありませんか?
それでは「やらされている感」がいっぱいで面白くないのも当然です。
これを「自分たちのわくわくする未来のために、今のお寺の財務状態を記録する!」 という気持ちで行ってみると全く違う世界が見えてきます。
地味だと思っていた帳簿をつける作業も、未来へつながっているのだと思うとペンが軽くなってきます。
「会計は税務署のためではなく、自分たちの未来のために行うもの!」
私は、「お寺はこうあるべき」という姿ではなく、「こうありたい」という姿を寺業計画書として描きました。
それまでは、危機感から何かをしなければいけないと思う日々でしたが、未来のありたいお寺の姿を描くことで毎日がとてもわくわくしたものに変わりました。
会計に対する意識が変わったのも寺業計画書を作成した頃からです。
「税務署や役員さんのためではなく、自分たちの未来のために会計を役立てたい」
このように気持ちを切り替えることで、私自身もとても楽しく話をすることができるようになりました。
今は住職・税理士という立場からいろいろなお寺の決算書を見る機会があります。
お坊さんは修行中に寺院運営のことを教わる機会がほとんどないので、自己流で会計帳簿をつけている方も多く、「今のやり方で本当に合っているんだろうか」という不安の声をよく聞きます。
書籍「お寺のための安心会計」では、その不安を解消するために会計の全体の流れと押さえておくポイントをご紹介しています。
そして決算書を作成して、都道府県に提出する書類も作成できるように内容を構成しています。
まずは会計のやらされている感から卒業して、お寺の未来のために日々の記録をしていく、という意識改革がスタートです。
会計データを上手に利用しながら、それぞれのお寺の未来のありたい姿を実現できることを願っています。
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