【寺院の声】経営顧問の提供価値

井出 悦郎

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 近年、寺院を支援する一つのあり方として、「経営顧問」という関わりが増えてきています。

  • コンサルティングほどの濃密な支援は求めていないが、気になることがある場合、気軽にすぐに相談したい
  • お寺を良く知る立場から、寺院の個別性に対応した助言がほしい
  • 短期的ではなく、長期的に寺院の発展に伴走してほしい

 背景として、このようなニーズが寺院にあると考えられます。
 このたび、経営顧問契約を結んでいる寺院から、お感じになられていることを「声」としていただきました。お寺の未来の経営顧問の特長がよく分かる内容となっています。

(※「経営顧問」についての詳細はこちら

寺院運営の全体に目が行き届いた、総合的な助言がもらえる“伴走者”(浄土宗・住職)

 寺院の運営に必要なものは宗教的な面はもちろんのこと、墓地・宗教法人に関する法律や不動産管理の知識、特有の税務や会計、年中行事等の挙行など多方面からの知識と技術が必要です。しかしそれらを総合的に相談できる窓口は極端に少ないといえます。
 私自身、僧侶であるが故、特にお金が絡む運営の面での話は他では相談しづらいというのが正直な気持ちでした。

 しかし、お寺の未来は、秘密を守ったうえで寺院運営に関する適切なアドバイスをくれます。また様々な問題に対処できる専門家の紹介や助言を受けることもできますし、全国の寺院との繋がりから最新の情報が入ってきます。
 墓地・霊園の広告や販売をコンサルティングする企業は多くありますが、寺院運営の全体に目が行き届いたコンサルティングができるところは私の知る限り他にはありません。

 自坊でも事業計画や財務諸表の見直しや新規墓地開発、新規のイベント企画と広報、寺院規則の見直しなどを計画的に行い、取り組むべき課題が明確になってきました。
 住職は聖職者である面と法人運営責任者(経営者)であるという両面を持つ孤独な存在です。家族での寺院運営が多いことも、なかなか外部に相談しにくい一因になっています。
 信頼できる存在として気軽に相談できることで、安心して法務に集中できる環境は非常に大切です。私にとって、お寺の未来は寺院運営の“伴走者”として共に走り続けてくれるパートナーです。

自信と誇りをもって寺院が歩んでいくための、唯一無二の伴走パートナー(日蓮宗・住職)

縁起・寺業を含めたお寺に対する全体的理解

 お寺の「歴史」「行事」「寺族・従業員」「業務内容」「現状」「財務」「思い」「不安」「目指す所」などを徹底的にヒアリングして、把握してもらったことです。徹底的に把握して頂いた上でのアドバイスなので、アドバイスに対しての信頼の厚さがありました。

事実に基づいた方向性の明確化

 〝なんとなく〟の肌感覚でしか感じなかった「数」(お布施の金額推移や法事の件数推移・塔婆の件数推移)を過去に遡って見てもらうことによって、方向性を見出すことができたのは、今後のお寺の方針を定めていく上で、大きな確証となりました。

地に足の着いた墓地戦略の策定

 墓地開発の時に「これを埋めてみてください」という、墓地開発にあたって考えるべき質問シートを頂き、いろいろ考えながら埋めました。そのことにより、お寺の歴史やストーリーを振り返り、墓地へのビジョンを定めることができました。それを開発業者や石材店と共有し、同じ意識を持って、ぶれることなく開発を進めることが出来たことは、とても大きかったです。

お寺と受け手(檀家・地域・生活者)の両方の視点

 コンサルティングで心強かった部分は、こちら側の思い(寺院側・住職側・寺族側)と、受け手側(檀家・地域・一般生活者)の両方の視点を持っていることだと思います。
 寺院がいろいろなことを取り組もうとしても、どうしても寺院側の思いや価値観ばかりが先行し、受け手に理解をしてもらえない、伝わらない、寄り添っていないということが多々あります。寺院側の思いと、受け手側の目線を繋いでくれるということが、私にとって心強く思っております。

従業員も含めた寺内への考え方の浸透

 寺庭婦人や従業員も一緒にミーティングに参加させて頂くことにより、「井出さん的考え方」がお寺の中にも浸透し、深く考える習慣や受け手がどう捉えるのか?ということを考える習慣ができました。お寺の様々な取り組みにそのイズムが影響・反映しています。コンサルティングというものに対し、お寺のみんなも「不安」「戸惑い」があったと思いますが、今となっては「井出さんならどう考えるか?」「今度井出さんに相談してみたら…」と言うようになりました。

住職の真摯な相談相手

 住職には相談相手がいないもので「井の中のかわず」になってしまいがちです。そのなかにおいて真摯に相談に乗り、向かい会ってくれる人がいるということは、大変心強いと思っております。

寺院の社会的役割を重視した助言をもらえる、稀な存在の経営コンサルティング(真言宗・住職)

 お寺という専門性の高い組織に特化した経営コンサルティングは非常に稀で、薄々感じている問題点や、先送りしている課題を的確にかつ理論的に、丁寧に指摘いただけるので、助かっています。

 会話の中で「利他」というキーワードをよく使われます。寺院の社会的役割を重視したアドバイスをしていただけるので、目標や目的をしっかり共有できます。(異業種の方と話をすると、当然だが利益に比重が行き過ぎてしまい、お寺の存在意義や品格を担保できない)

 また、先進的な取り組みをしている寺院の成功例や事例を教えていただき、宗旨・宗派の垣根を取っ払って、情報交換や交流の機会をいただけることをありがたく思います。
 加えて、教義についても勉強されているので、宗旨の特徴や強み・弱点などを客観的に指摘していただけるので、同じ宗門同士では気づくことが出来ないことをアドバイスしていただけます。(当山でいえば、他宗派に比べ仏さまが多すぎて、参詣者にとってお寺の中心が分かりにくくなっているなど)

 個人的に感じるところでは僧侶は技術屋気質の人が多く、儀礼や読経の修練に勤しむことが多いです。総本山でも同様で、寺院経営のことは一切教えてもらう機会もなく、宗門系の大学でもありません。そもそも経営という観念がないので、専用のテキストで経営を学べることは本当にありがたいですし、具体的なアドバイスを通じて血肉になっていることを感じます。経営という考え方は、これからの寺院に絶対必要な知識・技能だと思います。

数字の意味が可視化されるとともに、住職が冷静に人の話を聞くようになった(日蓮宗・寺庭婦人)

経営数値の意味が分かることで適切なアクションにつながるようになった

 より数字の意味を意識するようになりました。税理士からの決算報告を聞く時も、一つひとつの数字の意味を物語として理解できるようになりました。数字の一つひとつの意味が見えることで、闇雲ではなく、適切なアクションにつながるようになりました。
 先日のリフォームの際、職人さんから「以前は止めに入ってたけど、今回は入らないね」と言われました。数字が分かるようになると、今年はこのくらい使っても大丈夫と思えるようになり、気持ちにゆとりができたのだと思います。

住職がみんなの意見を冷静に聞くようになった

 住職とは夫婦でもあるので、二人になると感情的になりやすいです。しかし、第三者がいることによってお互い相手の意見を冷静に聞けるようになりました。「お寺で何か起こったときに責任を取るのは俺だ!」という責任感の強さから、どうしても俺が、俺がという意識が強かったのですが、住職が冷静にみんなの意見を聞くようになったことが大きいです。

僧侶の価値観を大切にしながら、いつの間にか成果につなげるスタイルが「マジック的」(真言宗・寺庭婦人)

 お寺関係者だけでは思いもつかなかった視点や手法から、課題解決の方法を導いていただけます。たとえば統計的見地や、ペルソナ、カスタマージャーニーなど、寺院が置かれた個別の局面に応じたPDCAの回し方などを、押し付けではなく、効果的なタイミングでわかりやすく説明いただき、行動を後押ししてくださいます。
 ゆるゆるとしたペースのようでいて、ここぞというタイミングで鋭く切り込んでくださるので、今までモヤモヤしていたものがどんどん腹落ちしていきます。

 拝むことに熱心な宗教者は、お寺の運営にビジネス要素を取り入れることに抵抗感がある方も多いと思います。自坊の住職もそうですが、住職がビジネスツールと気づかないままに、様々な手法になじんで経営改善につながっていく様子はまさに「井出さんマジック」。お坊さんの価値観を大事にしながら、いつのまにか成果につなげてくださるスタイルに感激しています。

住職の成長を促し、従業員の声も吸い上げてくれる、信頼性の高い相談相手(日蓮宗・従業員)

住職の考えに良い影響を与える第三者

 小さいコミュニティの中では知らず知らずに閉塞的な考えや物の見方になってしまう所に俯瞰的な意見で風穴を開けてくれます。
 どこのお寺も最終的な決定権は住職であると思いますが、家族、従業員の意見は響かなくとも全く同じ事を言っていても井出さんに言われるとすんなり入ってくると言う事はあると思います。
 誰に言われるかって結構違うのでそういった意味でも住職の考えを動かせる第三者がいるというのは大きいのではと思います。

お寺にとって信頼できる情報源と相談相手

 お寺はどうしても一般社会とのズレがある環境だと思います。その中で社会を広く見て経験・知識が豊富である、尚且つお寺業界の知識も豊富な人との会話はそのズレを埋めたり気付かされたりすることが多く、得るものが沢山あると思います。
 お寺の人間ではないのに真剣にお寺の未来を考え構築していってくれる人は貴重です。目に見えない物にお金を払うことに抵抗があるかもしれませんが、情報過多な時代、信頼できる情報はもっとも入手が難しい物であり、今後のお寺作りの中でその情報は全ての判断基準の土台となると思えばコンサルティングしてもらう価値は大きいと思います。

従業員の意見も吸い上げてくれる媒介者

 家族経営、お寺という特殊な環境の中で全てが家族間の話しで決まっていく場合、従業員は意見が通らないもしくは言えないという立場の方もいるのではないでしょうか。
 そんな環境でお寺の従業員でもなく家族でもない人が入ってくれることにより溝が埋まったり、従業員の意見も吸い上げるような提案がなされて風通しがよくなる事はあると思います。

(※「経営顧問」についての詳細はこちら

井出 悦郎

(一社)お寺の未来 代表理事。東京大学文学部卒。人間形成に資する思想・哲学に関心があり、大学では中国哲学を専攻。銀行、ITベンチャー、経営コンサルティングを経て、「これからの人づくりのヒント」と直感した仏教との出会いを機縁に、2012年に(一社)お寺の未来を創業

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